米国株式市場は火曜日、全面安で取引を終えました。長期国債利回りの急上昇を受けて、投資家が割高な成長株やテクノロジー株から資金を引き揚げたためです。S&P500指数は0.7%下落して7,691.76で取引を終え、先週記録した過去最高値を大きく下回る水準となりました。ナスダック総合指数は1.3%下落し、3週間ぶりの大幅下落となりました。ダウ工業株30種平均は比較的底堅く、0.2%の下落にとどまりましたが、これは資金がヘルスケア、生活必需品、エネルギーといったディフェンシブセクターへ向かったためです。

売りの矛先が最も向かったのは半導体・メモリー関連銘柄でした。フィラデルフィア半導体指数はこの日約5%下落し、マイクロン(Micron)は約7%、サンディスク(Sandisk)は約9%下落しました。両銘柄とも直近の取引でAI関連需要を背景に急騰していました。エヌビディア(Nvidia)も下落しましたが、その正確な下落幅については報道によって一致しておらず、このセクター全体のボラティリティを踏まえると、個別銘柄の一日の騰落率は目安として捉えるべきです。今回の調整は、直近の債券市場の動きを前に、AIインフラ関連の一部取引がいかに過密な状態にあったかを浮き彫りにしました。

この売りは水曜日のアジア市場にも波及しました。韓国のKOSPI指数は急落し、日中の下落率は5%からおよそ6%の範囲で報じられ、主要メモリー半導体供給企業のSKハイニックスとサムスン電子はいずれも7~9%下落しました。日本の日経平均は約3%下落し、台湾の代表的指数は約1.5%下落、中国本土株は1.5~2%下落しました。米株価指数先物は慎重な滑り出しを示唆しており、ダウ先物は約0.1%、ナスダック先物は約0.2%下落しました。夜間で国債利回りがやや反落したものの、安心材料としては限定的でした。

今回の広範な資金シフトの引き金となったのは、米長期国債利回りの急上昇でした。30年債利回りは一時約5.337%まで上昇し、約20年ぶりの高水準をつけた後、約5.28%まで低下しました。長期金利の上昇は将来の企業収益に適用される割引率を押し上げ、利息を生まない資産を保有することの機会費用を増大させます。これは、遠い将来のキャッシュフローに大きく依存する高倍率の成長株やテクノロジー株に、とりわけ重くのしかかる力学です。

商品市場や為替市場でも同様の交錯した動きが見られました。ブレント原油はイランをめぐる不透明感の再燃とホルムズ海峡を通過するタンカー輸送への懸念の再浮上を受けて1バレル=90ドルを上回り、金利の行方をめぐる議論が続く中で新たなインフレ圧力を加えかねない動きとなりました。金価格は約0.5%上昇し、1オンス=4,350~4,360ドル近辺となり、前営業日に記録した約2%の下落分の一部を取り戻しました。ビットコインは6万4,500ドル近辺、イーサリアムは1,910ドル近辺で取引され、両デジタル資産とも、利息を生まない資産と直接競合する実質利回りの動きに敏感な状態が続いています。為替市場では、米ドル指数は99.65近辺を維持し、英ポンドは1.353ドル近辺で取引され、円は1ドル=160円という、為替介入が意識されやすい水準の近くにとどまりました。

市場の関心は現在、米連邦準備制度理事会(FRB)の直近会合の議事録公表に移っています。トレーダーは、底堅い成長指標と足元で強含むエネルギー価格を踏まえ、この議事録がインフレリスクに対するFRBの考え方を明らかにするものと期待しています。先物市場は現在、9月会合でFRBが金利を据え置く確率を約65%、利上げする確率を35%と織り込んでいます。議事録に、特に足元の原油価格上昇を踏まえてインフレへの懸念が強まっていることを示す文言があれば、直近の長期金利上昇の流れを強め、割高なバリュエーションの株式セクターへの圧力を長引かせる可能性があります。

今回の動きは、S&P500がわずか先週に過去最高値を更新したばかりであることを踏まえると、投資家心理がいかに急速に変化したかという点でも際立っています。30年債利回りが20年ぶりの高水準に迫る水準は、深刻なインフレ懸念があった時期を除けば滅多に見られない水準であり、これが原油価格の新たな上昇局面と同時に再び現れたことで、今年の株式相場上昇を支えてきたディスインフレ傾向が本当に停滞するリスクにさらされているのかという議論が再燃しています。これに伴い、セクター間の主導権も入れ替わりました。金利が上昇し成長期待が鈍化する局面で相対的に底堅い傾向のあるヘルスケア、生活必需品、エネルギー関連銘柄は、火曜日に指数全体が下落する中でも市場平均を上回るパフォーマンスを示しました。

火曜日の相場は、現在の金利をめぐる議論を軸に、株式、債券、為替、商品の各市場がいかに密接に連動しているかも浮き彫りにしました。イラン情勢をめぐる緊張が続く中で原油価格がさらに上昇すれば、底堅い成長と高止まりする借入コストとのバランスを見極めようとするFRBの課題に、新たなコストプッシュ型のインフレリスクを加え、事態を複雑にしかねません。逆に、中東情勢の緊張が急速に緩和されたり、今後発表されるインフレ指標が予想外に落ち着いたりすれば、利回りはさらに低下し、火曜日の下落を主導した金利敏感なテクノロジー株や半導体株に安心感をもたらす可能性があります。

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重要指標

トレーディング・インサイト

トレーダーにとって、長期国債利回りと株式バリュエーションとの相互作用は、当面の間、市場の中心的なテーマであり続けそうです。30年債利回りが20年ぶりの高水準に届く範囲にとどまる限り、高倍率のテクノロジー株や半導体株の反発は、利回りを生む資産へ資金を振り向けようとする投資家からの売り圧力に直面し続ける可能性があります。穏健な内容のFRB議事録や利回りのさらなる低下は、成長株やAI関連銘柄の急激な安心買いを引き起こす可能性がありますが、こうした動きは中期的な金利見通しの本質的な転換というより、テクニカルかつポジション調整主導の性格が強いかもしれません。逆に、タカ派的なサプライズ、特に原油価格の高止まりが続く状況と重なれば、割高な成長株から防御的・バリュー志向のセクターへという現在の資金シフトがさらに長引く可能性が高いでしょう。トレーダーは今月後半に発表される米インフレ指標にも注目すべきです。予想を上回る数値がエネルギーコストの上昇と重なれば、FRBが9月会合以降も慎重な姿勢を維持すべきとの見方が強まるためです。